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若い世代の貧困化の裏に隠される年代格差問題とは?

年代格差問題って何?なぜ若者が不満を持つの?

 

今、年金の年代格差に関する議論が活発化していることを、みなさんは知っていますか?
2015年9月28日、厚生労働省が公的年金の受取額の試算を発表しました。
これは、実際に年金を納めた保険料に対し、給付される年金がどうなるのかを試算したものです。
その結果、1945年生まれの70歳の世帯は、支払った保険料の5.2倍が給付されるのに対し、1980年生まれの30歳以降の世帯の場合は、2.3倍しか給付されないという、格差が産まれたことが明らかになりました。

 

なぜ20代と70代では6600万円もの格差が出るのか

 

この試算によると、20代と70代の世帯の格差は、6600万円にものぼります。
これには、生涯所得にみる保険料の負担額も関係しています。
70代の生涯所得にみる保険料の負担率は1割以下だったのに対し、20代の負担率は2割を超えているのです。
また、中部圏社会経済研究所が試算した、「世代会計」という指標結果も興味深いです。
前述した保険料を含めた個人が払う「負担」と、国から受け取れる医療保険や年金という「受益」を世代別に比較したところ、70~74歳は2100万円の特をするが、20~24歳までの若者は4500万円以上の損をするという結果が出たのです。
これらが、6600万円もの年代格差を生んでいます。

 

厚生労働省が発表した試算は信用できない!?

 

さらに厚生労働省の試算は、前提条件が甘すぎると批判されています。
というのも、この公的年金の受取額の試算をする際、経済成長率がプラス0.4%で計算しています。
決して経済成長が順調でない日本の現状を考えると、この成長率がマイナスに転じた場合、年代格差はさらに広がるのです。
さらに、こうした試算モデルのベースになっているのは、賞与を含めて、月収42万8000円の夫と専業主婦の世帯です。
ですが、30~40代の就業者には非正規雇用者も多く、20歳から定年の60歳まで厚生年金に加入し、平均余命まで生きるというモデルには、到底合致しないのです。
少子高齢化が進み、高齢者の貧困も加速している今、生活保護世帯も増加の一途をたどっています。
それらを若者世代からの年金保険料や税金で賄うことを、払い込んでも受益が得られない世代が批判するのは仕方がない部分もあります。
また、若者世代が子育てができる環境と経済基盤を持てない限り、こうした問題を根本的に解決することはできません。
このままでは、若者にとって老人が「ヘイト」の対象になりかねないのです。
すでに破たんしているという意見もある公的年金制度について、真剣に議論して見直す時期がきたといえるのではないでしょうか。

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