多重債務の温床となるソシャゲのガチャ規制の現状と、今後導入すべき規制案を考えてみた
昨今スマホゲームの課金ガチャについて規制を求める声が多くみられます。
最近ではFGOに400万円以上も課金した女性のはてなダイアリーが大きく話題になりました。
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ガチャを回しているときは、「後悔しない」という気持ちだったそうですが、のちに激しく後悔したそう。
それでも飽きずにガチャを回し続けてしまうあたり、依存って怖い…。
また少しさかのぼると、2016年には戦国炎舞というゲームで一人で3億円もの課金をした方もいます。
億単位で課金したホンモノの超重課金ユーザーの引退を公式がお知らせとして告知した。いろんなソシャゲーやって来たけど、こんな告知は前代未聞だし、運営がユーザーに対して"引退の意思確認"を行った事例も過去になさそう。 pic.twitter.com/j9ho9SqbaL
— ねるす。 (@neru_s) 2016年11月2日
3億円もガチャに投じて引退なんて、一体どこで何をされている方なのでしょうか…。
こうした「廃課金」とも呼ばれるお金の使い方。
自分の懐事情に問題がないのであれば良いのですが、中には500万円以上の借金をしてまでガチャをまわす方もいるほど….。
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また金融ライターのJinが特に気になるのは、ガチャ課金で自己破産をしている方が多いということです。
大阪地裁の破産(同廃)の申立書式の新バージョンが出ました。免責不許可事由の「浪費等」の欄に,ギャンブルと並んで「ゲーム代その他の有料サイト利用代等」が追加されていて,ゲーム課金で破産する人がそんなに多いのかと震えています。
— 弁護士 飯田幸子 (@sch_iida) 2015年8月24日
このようにガチャがやめられないままズルズル引き続け、気が付いたら借金地獄なんてことも珍しくはありません。
しかしギャンブルなどと一緒で、なかなか自分では抑えることができない中毒性があるのがこのガチャ課金。
であれば、法律などで規制しようという話が出てきても不思議ではないですよね。
そもそも2019年現在、ガチャ規制は一体どうなっているのでしょうか。
またTwitterでは「ガチャを規制しろ」なんて声が多く、今後新たな規制が導入されるのかも気になるところです。
今回はソシャゲ歴5年の金融ライターJinが、ガチャ規制の現状と今後について取り上げてみたいと思います。
やめられない、とまらない「ガチャ課金」の理由
なぜ課金ガチャがやめられないのか、これについてネットでは以下のようなことがよく言われています。
- 欲しいキャラが当たった時の喜び
- 強いキャラやアイテムが手に入るとゲームを有利に進められる。
- 他ユーザーとの競争を有利にするため
Jinも長年スマホゲームをプレイしているため、上記の理由については納得できます。
通常レアのキャラとは違う、豪華な演出で登場する最高レアのキャラ。
しかもそれが自分の欲しいキャラだったなんて時は、脳内麻薬が止まりません。
しかしガチャを回すのはこのような理由だけではないんです。
なかなかほしいキャラが出ず、引き続きガチャを回すかどうかの判断に迫られた時。
ここで考えがちなのが、
- 「今まで課金してきた分が無駄になってしまうので後には引けない!」
- 「次回したら出るかも」
などです。
Jinもこの心理状態で過去に320連ほどガチャを回しても、欲しいキャラが手に入らなかったことがあります。
このどうにもガチャがやめられない・とまらない心理状態、実は経済用語で説明できるんです。
サンクコスト効果(コンコルド効果)
「ある対象への金銭・精神・時間的投資を続ける事が損失になると解ってるのに、それまでの投資を惜しみやめられない状態」
まさにこれ…!
ここで引くのをやめたらただお金を消費しただけ…。
次ガチャを回せば出るかもしれないと思いながらガチャを回し続けた結果、資金がとうに尽きてしまうなんてことはよくあります。
また以下のような場合も、サンクコスト効果(コンコルド効果)として説明できてしまうとのこと。
- つまらない映画を最後まで見続ける
- 投資でなかなか損切できない
- パチンコで負けても次は勝てると踏んでさらに損をする
Jinも似たようなことは多々ありますが、その理由もお金を払ってしまったから、途中まで見ているからという理由がほとんど。
ただサンクコスト効果を超えたところに依存症の恐ろしさがあるのは知っておきましょう。
特にパチンコなどは「ギャンブル依存症」に陥ってしまうことも社会問題として挙げられます。
ギャンブル依存は大当たりを引いた時に出る脳内麻薬で快感を感じることを繰り返し得ようとしてやめられなくなる症状です。
ガチャも同様に欲しいキャラが当たった瞬間の快感を忘れられずに何度も出るまで引いてしまう。
依存の仕組みが全く一緒ですね。
ギャンブル依存はすでに病気のひとつとして認められていますが、実際にゲームにおいても依存症を病気と認定する動きもあります。
- ガチャ(課金)をするのをやめられない
- 家族や友人よりもゲームを優先してしまう
- ゲームのために学校や会社を休んでしまう
- 昼夜逆転の生活を送ってしまう
このような状態が続く場合、「ゲーム依存症(障害)」かもしれません。
厚労省の調査では成人421万人、中高生52万人がゲーム依存の恐れがあると推測されています。
また昨年WHO(世界保健機関)という国際的な機関において、「ゲーム依存症」が正式に病気と認定されました。
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このような課金ガチャとソーシャルゲームとを組み合わせた最初の人は、えげつないビジネスモデルを考えたものだなぁとちょっと怖くなってしまったJinなのでした。
2.日本のソシャゲのガチャ規制の現状
ソシャゲのガチャ課金の話題になると、結局「課金は自己責任」、「無理のない範囲で課金をしましょう」という話で終わることが多い気がしている今日この頃。
個人の問題なので当たり前といえば当たり前なのですが、法律による規制、または業界・運営会社による規制はないのでしょうか。
ガチャ(課金)についての法的な規制は現状ない
結論から言えば、課金ガチャそのものに規制を掛ける法律は現状ありません。
ただし下記のようなことを禁じる法律はあります。
- ガチャ画面で実際よりも当たりが多く入っているかのような表示をする
- ガチャで手に入る、異なる二種類の組み合わせのアイテム(AとB)を引くと、特別なアイテム(C)が手に入る(コンプガチャ)
また2012年から、業界団体による自主規制(ガイドライン)が設けられてはいるものの、法律とは違って破っても罰則はありません。
※2016年4月ランダム型アイテム提供方式を利用したアイテム販売における表示および運営ガイドラインより
「いずれかのレアアイテムを取得するまでの推定金額は50,000円まで」とする記述がみられますが、最上位のレアが出るというだけで、現在のイベントに登場している最上位レアのキャラとは限りません。
2016年にはグランブルーファンタジーというゲームで、数十万円かけても目当てのキャラが当たらないと、ネット上で大炎上。
結局、運営企業は9万円相当までガチャを回した場合には無条件で目当てのキャラと交換できる、ガチャの「天井」を設けました。
当時これを知ったときは「9万円でやっと一体って…。」と衝撃を受けました。
ただJinが知る限りでは、昨今このような規制を設けているソシャゲの方が少数派なのではないかと思います。
2017年にはこのような画像が作られるほどに…。
2017年度の課金売上でFGOが896億円、デレステが226億、グラブルが209億
— Miyamura (@Miyamura1205) 2017年12月8日
なぜFGOがこれだけ売上が高いのか
それはガチャに天井がないからである
グラブルとデレステはガチャに天井(9万)を設置したことで爆死が減り、売上も下がった
一方FGOは爆死が増え、売上も上がった
――――利益は爆死で出来ている pic.twitter.com/e3uHBn2SXk
数十万円かけても出ないなんて…自分なら引退してしまうところです。
※ちなみに現在ではガイドラインによってガチャ確率が表記されているので、それぞれ気になる方は調べてみることをおすすめします。
Jinのお気に入りの白猫プロジェクトでは天井はないものの、この頃からガチャ200連目以降に、最上位のキャラが確定で手に入るシステムが導入されるようになったんです。
でもこれ、登場キャラが複数体存在するため、誰が手に入るかはランダムとなっています。
引ける確率はもちろん低くなりますが、はずれ続けた場合は結局出るまで引くことに…。
※10連ガチャ一回で4000円ほどですが、確定マスが出現するのは200連目以降なので、そこにたどり着くまでがいばらの道なんですよね(´;ω;`)
3.海外でのガチャ規制についての現状
一方で海外では課金ガチャに対して規制を設けているのでしょうか。
Jinが調べてみたところ、なんとベルギーやオランダなど、一部の欧米諸国では既に「違法」になっているとか!
しかも他の欧米諸国でも法律による規制が議論されているらしいのです。
一体何がきっかけなのでしょうか?
きっかけは遥か彼方の銀河系で…
出典:electronic arts
問題になったのは、スターウォーズ・バトルフロントⅡというゲーム。
プレイヤーはダース・ベイダーやオビワン・ケノービなどおなじみのキャラクターを使って戦います。
ここに絡んでくるのが、「ルートボックス」という日本ではガチャに相当するものです。
批判の的になったのはガチャの内容。
これがゲームの勝敗に影響を及ぼすものであったため、欧米諸国のユーザーから批判を浴びることになります。
これを契機にオランダとベルギーの規制委員会で議論が起こりました。
その結果、PUBGやオーバーウォッチをはじめとした、日本でも人気の高いFPSゲームの課金要素が法律で規制されることとなったのです。
現に2018年に欧米諸国の規制当局によって出された共同声明では、
- 賭博
- ゲームの公平性
- 消費者保護(青少年に対する保護)
以上の観点から規制についての議論がなされることになりました。
海外の人からすれば、プレイヤー同士で戦うゲームで、「課金要素が勝敗に影響する」というのは不公平に感じるのかもしれませんね。
日本のオンラインゲームでもこのようなケースはあり、中には「札束で殴り合うゲーム」なんて言われるものも…。
ただ企業も課金による収入で運営の維持、コンテンツの新規作成に取り掛かっているので、このようなシステムを取り入れる気持ちは分かります。
日本のスマホゲーム市場は一億円を超えるほどになっていますが、現在はパズドラやモンストなどを提供しているような主要企業が軒並み減収・減益と低調気味になっているんです。
僕の大好きな白猫プロジェクトを運営するコロプラも大幅に減収・減益。
どこの企業も「ガチャ課金システム」で売上を出しているので、このような状況でガチャ課金についての規制が行われると深刻な影響が出そうなところではあります…。
4.これから日本でガチャ規制が行われる動きはあるのか
こうした側面もある中で、Jinが気になるのは、結局日本で課金ガチャの規制は行われるの?というところ。
結論から言えば、「まだ分からない」というのが現状のようです。
ただ先ほど紹介した海外でのガチャ規制の議論は、既に日本政府側にも持ち込まれている模様。
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2018年9月28日時点で、非公式ではあるものの、すでに議論が開始されていることが判明しています。
日本でガチャ規制が行われることになれば、スマホゲーム業界全体に打撃となるのは間違いないでしょう。
ただJinからすれば、課金の有無にかかわらず、気持ちよく「課金してみよう」と思えるようなシステムが導入されれば満足だったりします。
実際のところどうなのかについては、ソシャゲをプレイしている方々の意見を頂戴したいところです。
次項からは、規制が導入されるとしたらどのようなものが良いかについて考えていきたいと思います。
5.Jinが考える課金ガチャ規制
ソシャゲ業界は基本的にガチャで収益を上げているというのはこれまでお話したとおり。
売上に関わる部分での規制なんて、運営会社としてはただでさえ気が進みませんよね。
数年前に自主規制を導入したは良いものの、効果が出ていないことからもそれは明らか。
かくなる上は法律によって規制するしかないでしょう。
これまでのことを踏まえて、課金勢の金融ライターJinが考えた課金ガチャの規制案を考えてみることにします。
とはいうものの、まずは本題に入る前に、課金ガチャのシステムでJinが良いと思ったものを紹介しますね。
後払いガチャの実装
「君の目的はぼくを殺すこと」というなにやら物騒なタイトルのスマホゲーム。
こちらでは、先にガチャを回して結果を見てからお金を払うかどうかを決められる「後払いガチャ」を実装し、ネット上で話題になりました。
すごいシステムだと見る度思う pic.twitter.com/1sCw1PNU5C
— ゆぐどらしる (@yugu_0802) 2018年8月27日
このゲームでは10連を回すのに必要な金額は4,800円。
それだけのお金を払っても良いものかどうかということを、事前にガチャを回し確認できるのは嬉しいですよね。
課金ガチャの「規制」というほどではないものの、ユーザーにとっては
- これまで課金したことがない人も課金してみようと思える
- 運よく欲しいキャラが当たれば、課金をしてまでガチャを回さなくて済む
などのメリットがあるのは嬉しいところです。
天井ガチャ
グランブルーファンタジーでも導入されている、「ここまでガチャを回してくれれば(課金をしてくれれば)確定でキャラが手に入る仕組み」のことです。
しかしこの9万円という上限額をめぐっては、高すぎるという指摘もあるほど。
さすがにJinも9万円あったら欲しいキャラを当てに行くよりも、旅行に行き、おいしいものを食べてゆっくりしたいところですが…。
ここからさらに上限額が低くなればユーザーにとってありがたいですよね。
自主規制の範囲内で進めて頂ければ、法律で規制しろとの声も少なくなるのですが…。
Jinが考えるガチャ課金の規制案
そんなこんなで、Jinが考える規制はこちら。
- 月額の課金上限額の設定
- 10連ガチャ一回にかかる値段の低下
- 天井の義務化
基本的によく言われている規制案ではあるものの、これらを組み合わせればガチャで多額の借金をしてしまう方も減るかもしれません。
しかしこれ、複数のソシャゲをプレイする廃課金者にとっては、規制になりえないんですよね…。
そもそもガチャ課金について法律で規制する場合は、規制されるだけの法的な根拠がなければいけません。
現在の法律の何に違反しているのかといった点が明確にならない限りは、規制のしようがないという事実…。
青少年にとって良い影響を与えない、公平性を欠くといった欧州で議論されているような問題点も、日本で法的に規制されるだけの根拠としては弱い気がします。
最後に
金融ライターのJinが気になっているのは、冒頭でも取り上げたこのツイート。
大阪地裁の破産(同廃)の申立書式の新バージョンが出ました。免責不許可事由の「浪費等」の欄に,ギャンブルと並んで「ゲーム代その他の有料サイト利用代等」が追加されていて,ゲーム課金で破産する人がそんなに多いのかと震えています。
— 弁護士 飯田幸子 (@sch_iida) 2015年8月24日
ガチャ課金で自己破産をしても免責されない場合があることを示唆しており、一時期話題になりました。
しかしこれについては、ガチャ課金額が少なければ、基本的には自己破産で免責される場合が多いとのこと。
このように書くと、高額の場合は免責されないということになりますが、それも裁量によって免責される場合があるので、一概には言えません。
自己破産について詳しくはこちら(外部リンク)
今回紹介したように、業界による自主規制はしにくく、法的に規制するにはそれ相応の根拠が必要となります。
規制が導入された場合、業界全体がさらに衰退していくのではないかという点も考えなければいけません。
結局、個々人の自己責任によるものなので、やはり「課金はほどほどに」というところに落着きがち。
しかしJinとしては、それを踏まえても何か規制が必要なのではないかと思います。
現状各企業によって「天井」があったりなかったりするのも、企業の自由といえばそれまでですが…。
いくら自己責任とはいえ、依存症を引き起こすものであると分かっていながら何の規制も取り入れないのは、一ユーザーとしてはあまり納得できるものではありません。
おまけ
僕の好きな白猫プロジェクトも天井がありませんが、ゲームへの長年の愛着と愛情で5年間も続けています。
Jinもこの記事を作成中に丁度ガチャの更新が来たので、上司のいない間にガチャを引いてみることにしました。
引きます #白猫 #目当てはこの娘 pic.twitter.com/e8EzdJQy9Z
— Jin (@jinpokopon_h) 2019年1月31日
100連以上回せども、欲しいキャラはもちろんレアキャラ自体来ない…。
※10連ガチャ一回で4,000円ほどです。
爆死続きで手が震えてきた中で、150連目、、、ついに…
違う、そうじゃない #白猫 pic.twitter.com/pWoJG7qTYt
— Jin (@jinpokopon_h) 2019年1月31日
あの……欲しいキャラが来ないんですが…(´;ω;`)
ガチャを回すために働いているといっても過言ではないJinですが、さすがにこれはキツイ…。
しかし仮にも金融ライターとして、消費者金融に駆け込むか、クレジットカードを使うかなんて選択はしたくありません。
もちろんガチャを回すことは好きですが、Jinは現在奨学金を返済中の身。
ここでガチャ爆死芸人としての地位を確立するわけにはいきません。
軍資金が尽きてしまったので、今回はおとなしく撤退することにします(´;ω;`)
ほどほどの課金で楽しむスタイルはこれからも崩すつもりはありません。
じゃないと5年も同じソシャゲで遊ぶなんてなかなかできませんから。
やはり「課金はほどほどに」ですね(笑)
プロミス
※ 原則電話による在籍確認なし
※ 最短3分融資は可能ですが、お申し込み時間や審査によりご希望に添えない場合があります。
アコム
※ 最短20分審査、最短20分融資も可能ですが、お申し込み時間や審査によりご希望に沿えない場合がございます。
※ 原則、お勤め先へ在籍確認の電話なし
※ 必要書類:アコムのご利用において50万円を超えるご契約を行うお客さま、他社を含めたお借入総額が100万円を超えるお客さまは収入証明書が必要。
※ 審査通過率:マンスリーレポート参照
※ まさに「はじめてのアコム」!アコムは初めての方が借りやすく、審査通過率が高くなっています。
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