ビジネスローンの選び方とは?
事業性資金調達におすすめの方法や商品は、例えば、公的融資、銀行の事業者融資、消費者金融や事業者専用の融資、信販会社のローンなどからいくつか挙げることができます。
ここでは、事業を成功させるための資金調達のポイントと商品選択のコツを学びながら、最終的に自分の事業に最適なビジネスローンを選ぶことができるように解説していきます。
ビジネスローン申し込みから融資までの流れ
申し込みをしてから融資までの流れは、どの金融機関を選択したとしてもほぼ同じと考えておいていいでしょう。
ビジネスローンの審査の流れを簡単に説明すると以下の4ステップになります。
①申し込み
②仮審査結果連絡
③本審査
④融資
①申し込み
申し込みには、金融機関それぞれが指定している「電話、ファックス、郵送、自動契約機、店頭窓口、ネット申し込み」などいずれかの方法を利用します。
そして申込書の記入を行うのですが、この項目は金融機関によって簡単な情報で済むものと、会社について若干踏み込んで聞かれるものがあります。
いずれにしても会社、代表者両方の情報を入力しなければなりません。
基本的な例として、下記の項目等の情報を事前に準備しておくと良いでしょう。
会社情報 | 代表者情報 |
---|---|
社名 | 氏名 |
所在地 | 住所 |
電話番号 | 電話番号 |
メールアドレス | メールアドレス |
事業形態 | 性別 |
事業内容、創業年数 | 年齢 |
従業員年数 | 年収 |
利益見通し | ローン合計額 |
不動産の有無 | 返済方法のチェック |
利用目的 |
②仮審査結果連絡
上記の情報をもとに、仮審査が行われます。
仮審査の結果は電話またはメールなどで通知され、次の段階で提出する書類等についての説明があります。
③本審査
本審査では、いくつかの必要書類を用意しなければなりません。
代表的なものでは、本人確認書類(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)、収入証明書(確定申告書、課税証明書、源泉徴収票など)があります。
銀行などでは事業計画、収支計画、資金計画の提出を求められることも多く、そのそれぞれが作成時間を要するものですので、申し込みを考えている段階から書類も同時に準備をしておくことをおすすめします。
また利用する金融機関によってはこの時点で申込者本人が来店して面接を行う、あるいは担当者が申込者の会社に出向きヒアリングを行う場合があります。
どちらの対応で審査が進むのか気になる方は、前もって確認しておくと良いでしょう。
④融資
本審査の結果通知後、契約を行えば融資を受けることができるという流れです。
融資の受け取り方法は、来店、口座振込、最近では一般のカードローンのようにカードの発行があり、提携ATMなどで契約限度額までであれば利用したいときに何度でも引き落としが可能な方法も出てきています。
申し込みから融資までのステップはほとんどがこのようなものになっています。
審査の時間に関しては、利用する機関や融資の種類や目的によって2~3カ月というところから、最短で審査、即日の融資も可能という金融機関までそれぞれです。
当サイトでは、後者のビジネスローンを主に紹介しています。
セゾンファンデックス不動産担保ローン
・変動金利:2.75%~4.55%※1
(2022年4月1日現在)
・固定金利 4.5%~9.9%※2
・限度額:100万円~5億円
・申込条件:原則満20歳以上70歳以下、完済時85歳未満の方(事業主の場合)
※担保は代表者の親族が所有する不動産でも可
※1(年1回利率見直し/みずほ銀行の長期プライムレート+1.65%‐3.45%・4月1日を基準日として同年6月5日より新利率を適用)
※2金利タイプ(変動金利または固定金利)は、審査により決定されます。
まずは、ココから!おすすめのビジネスローンを探るコツとは?
はじめはとにかく事業と資金を必要とする目的の整理、そして情報収集です。
沢山の商品の中から上手に取捨選択ができるよう、今回は4つのポイントの中から、
「自分の目的に合った事業資金の獲得」
に視点を置き、事業性資金調達におすすめなビジネスローンについて探っていきたいと思います。
資金調達をする前に知っておきたいこと
ビジネスローンは基本無担保!信用を大事にしよう
借りる側はまず事業性融資もカードローンと同じように、顧客の「信用」の上に取引が成り立っているということを理解しなければなりません。
土地や建物といった不動産などを担保に資金を調達する有担保のローンもありますが、多くの事業主が利用するのが無担保貸付でしょう。
無担保ローンは顧客の「信用」だけでお金を貸すという方法です。相手の「信用」だけを担保に、果たして自分が大金を貸すことができるか?
金融機関側の立場に立って「融資」そのものを考えれば、お金を貸す側が利用者の何を見て判断するのかが分かってくるはずです。
残念ながら、審査の初期段階で融資の可否に利用されるコンピュータスコアリングに社長の情熱に関する得点はありません。
情熱は「信用」できるかどうかの裏付けにはならないのです。
ですから利用者側も「信用」に値することとは何かを常に考えて行動しなければならないということを覚えておくべきです。
ビジネスローンの審査で重視されるのは、人(社長の人柄)、物(担保があるとより効果的)、金(決算書など財務状況)、資金使途(資金計画)、会社の事業計画や利益計画による将来性です。
そうであるにも関わらず意外とできている方が少ないのが、この資金調達をするにあたっての姿勢です。
窓口や電話での応対の様子、提出される書類に書き込まれた内容、それらにも「お金」に対する考え方や資金調達への取り組みの姿勢が表れるものです。
資金調達の姿勢は事業の取り組みにも表れるものですので、一連の動きに粗雑な態度が見られれば事業の信用を落とすことになりかねません。
無担保でローンを組むことができるのは、信用力が確かであると認められる人物だけです。
自分の希望するローン商品を利用できるようにするためにも、基本的なことではありますが、申し込み前に一度姿勢について見直してみるべきです。
ビジネスローンは誰でも借りることができるのか?
いざ、どこかに融資の申し込みをしようとして、「事業性融資は誰でも申し込みをすることができるのだろうか?」と戸惑う方もいるようです。
事業性融資に申し込む場合にも申込条件がありますので、自分の条件と合う金融機関であるかどうかのチェックは必ずしなければなりません。
では、事業性融資の申込条件には、どのようなものがあるのでしょうか?
年齢については下限は20歳以上がほとんどで、上限年齢は65歳未満あるいは69歳未満と定める金融機関が多いようです。
法人専用で個人事業主への融資は受け付けていないという金融機関もありますので、骨折り損にならないようその点も気にしてチェックするといいでしょう。
事業性融資に特徴的な申込条件が、どのくらい事業を続けているかという業歴です。
業歴は設けられている金融機関とそうでないところがありますが、申込条件に規定がある場合、「2年以上の業歴」というところが多いようです。
この場合既に事業を行っているということが前提となり、利用目的が開業資金になると申し込みができませんので、商品選択には自分がどのような目的で融資を受けたいのかということも重要なポイントになるのです。
「資金使途」は、自分に合ったローン商品を選択するための大切なポイントになりますので以下で詳しく説明しますが、このように金融機関が定める申込条件と利用目的によっては残念ながら事業性融資を受けることができない方も出てくるということは覚えておく必要があります。
ビジネスローンは保証人が必要?
金融機関で取り扱っている通常のカードローンやキャッシングなどでは、保証人が必要ない無担保ローンが一般的となって広く流通しています。
しかし、利用者の条件や目的からも、個人向けカードローンに比べ大口融資になる可能性が高くなる事業性資金でも、同じ様に保証人なしで利用することが可能なのでしょうか?
保証人については法人、個人事業主といった事業の形態と借入希望先の種類によって変わってきます。
借り手が法人で申込先が銀行である場合は、法人の代表者が連帯保証人となることが多いようです。
個人事業主が銀行で融資を受ける場合、保証人が必要と判断されると銀行の指定で信用保証協会の保証を利用するのが一般的とされています。
信用保証協会とは、事業者が金融機関から融資を受けやすくできる保証人としてサポートをしてくれる公的機関です。
起業をして間もない、あるいは金融機関を利用した経歴がない事業者が融資を求めてきた場合、保証人を立てるよう要求するケースが少なくありません。
そのような時に役立つのが信用保証協会の信用保証制度です。
ちなみに資金のことを調べていると保証付融資とプロパー融資という言葉が目に付きますが、それはこの信用保証協会の保証があるかどうかの違いを指しているのです。
万が一、事業者の返済が滞った場合に信用保証協会が立て替え払いをするという保証をしている融資を保証付融資、保証がつかない融資をプロパー融資と呼びます。
この保証を利用するには、「規模」「業種」「区域・業歴」といった保証のための基準を満たす必要がありますが、利用する以外に選択肢がないという場合には悩む前に信用保証協会に相談をするといいでしょう。
一方、消費者金融や信販会社などに融資を申し込む場合には原則として法人、個人事業主の違いに関わらず保証人は必要ありません。
ただし、上に挙げた金融機関の例は代表的なものではありますが、事業性融資を専業で行っている企業やその他、金融機関の規定の違いや審査の状況によっ、担保や保証人が必要になるケースがある場合も出てきますので、この点が不安ということであれば事前にきちんと確認しておきましょう。
カードローンを事業性資金に利用できるのか?
ビジネスローンの申し込み準備をし始めて、一般のカードローンとの提出書類の違いに、驚く方もいるようです。
事業計画書に収支計画書、決算書に印鑑証明書、中には作成にかなりの時間を要するものもありますので実際には準備に手間取る方も多いのです。
このような状況から、特に個人事業主の方からはあまりに面倒なので「今利用しているカードローンで賄いたい」という声もよく聞かれます。
「そう言えば、一般の銀行カードローンは、使途自由と規定に書かれていたのでは!?」と思われた方!そのカードを利用して、事業のためのお金を引き出すのは止めましょう。
規約をお読みいただければ分かることですが、残念ながら一般の銀行カードローンの利用規約には、資金使途の欄に「自由」とあり、そのすぐ後ろに括弧書きで「事業性資金にはお使いいただけません」と書かれてあるはずです。
これを無視して事業に利用するのは契約違反となり、利用停止の措置が取られるばかりでなく現在利用しているローンも一括返済を求められるなど、事業に注力するどころではなくなってしまいますので注意が必要です。
このように事業性資金として利用することが適わないローンがある一方、消費者金融のカードの場合は事情が違います。
消費者金融でのキャッシングの規定には、事業資金としての利用ができないという注意書きはありません。ですから、消費者金融のキャッシングを利用すれば、事業に使うお金を準備することができるのです。
しかし、この場合覚えておきたいのが、総量規制が適用されるという点です。貸金業者には年収の3分の1を超える貸し付けをしてはならないという貸金業法の規制があります。
この規制があっても事業のために借りたいお金を十分に用意することができるという場合には、簡単で手間がかからずいい方法だとは思いますが、消費者金融の場合金利は銀行と比べて若干高くなりますので、少ない金額を借りて短期間で返済できるという場合のみに利用するといいでしょう。
事業性資金調達におすすめなビジネスローンとは?その種類と特徴について
事業に必要なお金を借りようと考えた時、申込先として思い浮かぶのは、銀行が多いのではないでしょうか?
しかし、事業性融資を行っている機関は、銀行ばかりではありませんし、資金調達の方法も1つではないのです。
資金調達の方法を大きく分けると以下のようになります。
- 「公的な補助金や助成金制度」
- 「公的事業融資」
- 「銀行ビジネスローン」
- 「ノンバンク系ビジネスローン」
- 「投資家による出資」
事業で資金が必要になったという場合の資金調達の方法は上記のように分けることができますが、それぞれに特徴やメリットデメリットがありますので、どの方法を利用するか決定する前にまずはそれぞれをチェックしていきましょう。
「公的な補助金や助成金制度」
投資家による出資とは若干方法が違いますが、経済的負担を負わず、金融機関からお金を借りることもせずに資金を得る方法として挙げられるのが公的な助成金制度や補助金を利用することです。
公的な補助金や助成金と聞くと厚生労働省が出しているものだけと思われがちですが、全国には独立行政法人がまとめているものや地方自治体の助成金など大変な数の補助金や制度があります。
中小企業基盤整備機構がまとめたものをチェックしただけでも現時点でなんと5000以上もあり、日々募集が終わったり追加されたりしている状態なのです。
補助金や助成金制度は事業をしている方には大変すばらしい制度ではあるのですが、自分に合った制度を見つけるためにはそれだけの時間と労力が必要になると考えておいた方が無難です。
例えば、起業をする者、事業を始めて5年以内の者、女性や若者、高齢者に限定されているものなど助成対象者の条件だけでなく、事業所や活動を行う場所が定められていたりします。
目的も国の経済を活性化させることといった大きなものから、地域に根差すベンチャーのみとするもの、新製品の研究開発や地域の農業に関するものなど狭く限定的なものまで非常に多彩です。
先にも挙げた通り、数千もの種類の制度にはその全てに対象者の条件、申請要件、対象事業や利用目的などがあります。
助成金の額に関しても、500万円以上とかなりの額のものから少額までさまざまです。
利用目的も創業期に必要な経費すべてとしているものから、研究費用のみ、人材育成費用のみ、賃借料のみなど小さなものまでさまざまですので、申し込みをするためには細かなチェックが必要になるでしょう。
この方法は公の機関の制度を利用するという大きな安心と、借金ではないという点で大きなメリットがあります。
しかしその反面、時間的な余裕がなければならないこと、自分で情報を集め膨大な情報の中から自分に見合う制度を取捨選択していかなければならないなど、かなりの労力を要することも考えなければなりません。
「公的事業融資」
こちらは助成金ではなく、公の機関からお金を借りる方法です。
融資を受けるからにはお金は返すことが前提となりますが、事業資金の借入れの種類の中で一番大きな金額を受けることができる方法です。
公的事業融資とは、日本政府や地方自治体のような公的な機関による融資制度のことを指します。
公的事業の融資を分類すると日本政策金融公庫、信用保証協会、商工会議所によるものがあり、そのそれぞれに特徴があります。
銀行やノンバンク系のビジネスローンと比較すると圧倒的に金利が低いこと、そして資金収集に苦労している経験の少ない企業や個人事業主でも広く申し込みが可能ということです。
限度額も億単位のローン商品もあり、公的機関からの融資という点で、利用者は大きな安心を得られます。
また、資金繰りに関することだけではなく、コンサルティング能力を活かし事業内容や将来的なことを見据えた対応や計画的な融資相談に乗ってくれるという点もポイントです。
公的融資は信用の履歴として評価される個人信用情報の中でも、借入種別の段階評価が高いことも利点です。
借入種別とは、審査の際に金融機関側がこれまでどのような取引があったかをチェックするものですので、現段階での取引が将来的な金融取引に有利に働くことになるというわけです。
一方、申込から融資までの時間がかかり、スピードでは民間の金融機関に負けてしまうことは否めません。
担保や保証人についても、「要相談」といった記載が多く全く必要ないということではありませんので、特に大きな金額を希望している、属性に自信がないとなると不安なことも出てくるでしょう。
最近では、自治体でも事業主の多くの声に応えて、小口のスピード融資なるものを設けている商工会も徐々に増えてきています。
ただし、せっかくのスピードを売りにした商品であっても商工会の会員でなければ利用できませんので、スピーディーに融資を受けたいのであれば先に入会手続きを済ませておくことが大切です。
また、多くの場合事業計画等についての書類提出の後に審査担当者による面接がありますので、いざという時に慌てぬよう心づもりしておくべきでしょう。
日本政策金融公庫を例にとると、通常の普通貸付の他、新規開業資金、女性・若者・シニア起業家支援資金、再チャレンジ支援融資、海外展開・事業再編資金、企業活力強化資金、その他にも目的によっていくつもの融資制度が用意されていることが多いため、自分にあった制度を探さなければなりません。
これら制度の違いは利用目的の他、利用条件、返済期間や金利にまで出てきますので、見落としのないよう事前によく勉強しておく必要があるでしょう。
「銀行ビジネスローン」
事業融資と聞くと多くの方が真っ先に思い浮かべるのが、銀行のビジネスローンでしょう。
事業規模が大きく、大口融資を利用する、あるいは保証人や担保を準備することができる人たちでなければ借りることができないという印象が強かったのもこの銀行融資です。
ただ、最近では銀行のビジネスローンも随分と変わってきています。
法人ばかりでなく、個人事業主であっても利用できるローンサービス、法人であれば連帯保証人は必要な場合が多いものの、個人が保証人なしでも借りられる商品も出てきています。
とは言え、大手行で個人事業主でも利用が可能なローン商品を探してもなかなか厳しいというのも実際のところです。
さらに、業歴によって利用に制限がかかっていることが多いということも銀行ビジネスローンの特徴でしょう。
利用条件をよく見ると、「業歴〇年以上」などの記載がありますので、事業を起こして1年程度の方が申し込みをしても融資は受けられないということが多いのです。
また、事業者の要望や社会経済の変化に合わせ、ローン商品の種類も徐々に増えています。
その一つに、商品名に「クイック」「スピード」といった言葉がついたビジネスローンが挙げられます。
未だにノンバンクのローンには引けを取るところがあるものの、上記のような商品は以前の銀行融資のスピードをはるかに超えています。
さらに、スピードだけではなくサービスについても同様に向上しており、ビジネスローンの中でも一度に希望額を借りる従来の借入方法の他に、一般のカードローンのように限度額の範囲でなら、何度でも必要な時にお金を借りることができるローンを用意している銀行も増えています。
公的融資に追いつくまでではありませんが、それでも下限金利が2%代の銀行もあるほどです。
ただし先にも挙げたように、以前に比べ申込審査から融資までの時間が早くなったとはいえ、スピードに特化した商品であっても即日融資のようなスピーディな対応は期待できないと考えておいた方が良いでしょう。
また、先に挙げた業歴等の制限の他にノンバンク系のビジネスローンと比較すると未だに提出書類が多く、審査における体質と厳格な対応は昔と変わらないところが多いと考えておいた方がいいのかもしれません。
そして、意外に見落としがちな点が融資実行に関して銀行に支払う事務手数料や印紙税などです。
大手行である三井住友銀行の中小企業向け融資「ビジネスセレクトローン」の事務手数料を例にとってみると、はじめて借入れをする方の場合で75600円(ただし、借入金額が3,000万円以上の場合には97,200円)、それ以外の方は32,400円となっています。
手数料という響きから数千円くらいだろうなどと甘く見積もっていると後で結構な痛手になることもありますので、きちんと確認されることをおすすめします。
銀行の事業融資から申し込みをしてみたいという方は、属性が十分で審査に自信があるという場合を除いて融資希望金額を下げるなど細かなところにも気を配り審査通過のための工夫をするのも大切なポイントです。
「ノンバンク系ビジネスローン」
ノンバンク系で融資を行っている主な企業は消費者金融、事業者金融、信販会社、クレジット会社、リース会社、不動産金融専門会社ですが、事業融資の分野では先の3分野を押さえておくといいでしょう。
では、消費者金融、事業者金融、信販会社のビジネスローンと言えばどのようなものがあるのかを簡単に例を挙げて紹介してみましょう。
消費者金融の商品は、先にも挙げたように
事業者金融の例としては、三井住友トラストHDがアイフルと共同で設立したスモールビジネス向けローンの「AGビジネスサポートのビジネスローン」、全国の提携ATMで気軽にカードによる借入や返済ができる「ビジネスパートナーのスモールビジネスローン」。
信販会社にもビジネスローンの用意がありますが、大手の商品といえば「オリックスVIPローンカードBUSINESS」「オリコのCREST for Biz」といったところでしょう。
ノンバンク系のローン商品を選択する場合には、ビジネスパートナーの「45日間無利息」のようにその会社にしかないサービスをポイントにして選ぶのも一つの方法です。
では、これらを前提として、メリットやデメリットを見ていきましょう。
ノンバンク系ビジネスローンの特徴は、法人、個人事業主の別に関係なく、無担保で保証人も必要なく融資を受けることができるという点です。
担保ありの商品で限度額設定が高いものもありますが、ここでは他のビジネスローンと比較しやすいよう次の機会に取り上げることにします。
また、銀行融資で提出を求められることが多い事業計画書などの書類提出がなくて済むという時間的節約もポイントの一つです。
本来審査に通過する書類を作成するにはそのノウハウが必要で、時間と手間をかけなければ受理されるようなものを仕上げることはできません。
このように無担保・無保証人で書類も銀行融資や公的融資に比べて少ないことから、借入前の面倒な手続きに時間をかけることなく融資を受けることができるのもこの特徴です。
さらに、貸金業者はそれぞれのノウハウと独自のデータ利用で審査もスピーディーに進めることができるのです。
銀行融資のように多くの書類を細かにチェックせずとも、同レベルの審査が可能となる優秀なスコアリングシステムによって最短翌日融資が可能になるなど、ノンバンク系は事業のための資金調達方法の中でも融資までの時間が最も短いというメリットがあります。
その他にも、カードローンのように限度額内であれば繰り返し借入れができること、カード発行によって全国の提携ATMで利用すること、事業に関する資金であればほぼ自由に利用ができるなど便利に使える等もメリットと言えるでしょう。
当然、デメリットもありますので、利用する際には、その点も含めて検討する必要があります。
その一つは、他の資金調達方法に比べて限度額設定が低いことです。
逆に言えば、限度額を低く設定しているためにスピーディーな融資が可能になるとも言えます。また、金利も他の方法と比較すると若干高めの設定と言えるでしょう。
それだけに長期の利用では不利になりますし、この方法では希望額を用意することができない可能性もありますのでその点は注意したいところです。
よって、ノンバンク系のビジネスローンを最も効果的にメリットを最大限に活かす方法は、短期間で返済できる金額で利用することです。
ノンバンク系には無利息期間のサービスを設けている企業もありますので、それらを使って無利息で利用することができれば、公的融資よりも良い条件で資金調達ができるという訳です。
セゾンファンデックス不動産担保ローン
・変動金利:2.75%~4.55%※1
(2022年4月1日現在)
・固定金利 4.5%~9.9%※2
・限度額:100万円~5億円
・申込条件:原則満20歳以上70歳以下、完済時85歳未満の方(事業主の場合)
※担保は代表者の親族が所有する不動産でも可
※1(年1回利率見直し/みずほ銀行の長期プライムレート+1.65%‐3.45%・4月1日を基準日として同年6月5日より新利率を適用)
※2金利タイプ(変動金利または固定金利)は、審査により決定されます。
ここがポイント!ビジネスローン5項目徹底比較!
事業性資金の調達方法とそれぞれの特徴がわかったところで、今度は実際に申込先を比較するにあたって見ておきたいポイントについてそれぞれまとめていきます。
なお、以下の比較では、先に挙げた方法の中でも助成金などを除き、借入可能な機関を中心に行っています。
①ビジネスローン融資実行までに必要な時間
多くの場合、急ぎの借入れには目的と期限が定まっていることがほとんどです。
しかし、せっかく借入れの申し込みをしても、その資金が必要な日までに間に合わなければローンを利用する意味がありません。
実際にそれぞれの方法で融資を受ける場合、どのくらいの時間を目安にしておくべきでなのしょうか。
- 公的事業融資は、2カ月程度
- 銀行ビジネスローンは、数週間から通常1カ月程度
- ノンバンク系ビジネスローンは、最短翌日から数日程度
上記はあくまで平均的な時間ですので、利用する融資制度の種類やローン商品によってもちろん違いが出てきます。
②ビジネスローンの融資限度額
間違った認識を持っている方が意外と多いようですので説明させていただきますが、融資限度額=融資を受けることができる金額ではありません。
限度額はあくまで審査によって、金融機関側が決定するものです。
例えば決算書、事業規模といった資料からその資金は妥当か、返済できるのかといったことを含めて判断されるものですので、以下に並べた数字が必ずしも融資金額と一致するとは限りませんので注意しておくべきです。
では、それぞれの融資限度額を見ていきます。
公的事業融資 5000万円程度から数億円
限度額を資金調達の方法によってそれぞれ見比べてみた時、一番金額が大きいのがこの公的事業融資です。
なお、業種や企業の規模によっても変わってきますが、日本政策金融公庫の中小企業向け長期事業資金などでは、融資限度額が7億円を超える制度がいくつもあります。
事業を営む方であればどのような業種であっても利用することができる普通貸付4800万円というものもあります。
銀行ビジネスローン 500万円~3,000万円
銀行の事業資金の限度額は500万円といったところから、だいたい3,000万円あたりが平均といえるでしょう。
提出書類の数が他行に比べて少ない融資までのスピードも重視しているというローン商品は限度額も低めに設定されています。
ノンバンク系ビジネスローン 500万円程度
ノンバンク系では、「AGビジネスサポート」のように最大1,000万円までという設定の企業もありますが、平均的には、500万円程度の金額にしているところが多いようです。
貸金業者の融資限度額は低く設定されていることが多いとは言え、融資を受けるまでのスピードを考えれば数百万単位であっても非常に助かるという方は多いのではないでしょうか。
③ビジネスローンの金利
融資限度額と同様に、取り上げた金利が最終的に適用になる金利ではないということを把握しておく必要があります、
最終的に個人個人に設定される金利は、さまざまな要素によって決定されます。
融資額はもちろんですが、返済期間や他の金融機関からの借入状況、返済能力や事業実績返済期間、さらに保証人が必要なく無担保のビジネスローンであっても不動産など担保の有無がチェックされ、金利設定や限度額設定に影響することもあるのです。
ですので、以下の数字は、あくまで目安としてご覧ください。
- 公的事業融資1.5%~2.3%
- 銀行 3%~14%
- ノンバンク系ビジネスローン8%~18%
こうして比較してみると、公的事業融資の上限金利である2.3%が、とびぬけて低金利であることが分かります。
ですが、ビジネスローンを比較する際には一方的に低金利ばかりを追い求めるのではなく、自分の状況を整理した上でどの程度金利にウエイトを置いた商品選択が可能なのかを考えることも非常に大切なことです。
④ビジネスローンの利用条件(業歴)
一般のカードローンの場合、年齢、年収、専業主婦や学生といった属性から金融機関の条件によって申し込みさえできないということがありますが、ビジネスローンでも同様のケースがあります。それが、「業歴」という条件です。
カードローンにおいて安定を評価される公務員のように、業歴や業種といった情報から将来性とおおよその利益率などを算出することができるノウハウも金融機関は持ち合わせているため、「業歴」は審査の際の重要な指標として利用されるのです。
銀行ビジネスローンの場合、「2年以上の業歴」あるいは「2期分の決算書」といった表記で利用条件が書かれています。
前者はわかりやすく書かれていますが、「2期分の決算書」というのも業歴が無ければ提出することは不可能なものですので、こちらについても業歴が2年以上なければ申し込みはできませんということになるのです。
ちなみに、上記の「2年以上」という期間はあくまで目安です。
金融機関によっては、もう少し多くの業歴を条件としている金融機関もあります。
例えば、楽天銀行のビジネスローンのように申し込み時に「決算書(3期分)」の提出を求められているような場合、業歴が3年以上でなければ申し込みは受け付けてはくれないということになりますので、条件がいいからと飛びつかず申し込み前に必ずチェックをしてください。
一方、ノンバンク系のビジネスローンは、どうなのでしょう。
いくつかの金融機関を見てみると、オリックスVIPローンカード BUSINESSでは「業績1年以上」、プロミスの自営者カードローンでは提出書類に「前年度分の確定申告書」とあるため、こちらも業歴は少なくとも1年程度必要であることがわかります。
ですから、銀行のように2年以上とまでは行かないまでも1年以上の業歴はあったほうがいいと考えておいたほうがいいでしょう。
また、公的融資の場合には、参考までにということになりますが、そもそも開業目的の融資に業歴が問われるような理不尽なことはありません。
さらに、東京都の信用保証協会の資料を見てみると「一定の業歴要件が必要となる場合があります」とあり、横浜市の信用保証協会では「市内業歴が1年未満の方を含む」とあるように、1年以内でも申し込みが可能ということになります。
⑤ビジネスローンの返済方式
返済方式には、毎月の返済額が一定なものや変動していくものなどさまざまで、知らずにいると後で失敗したと後悔しかねませんので、自分に合った方法を選んでおくと良いでしょう。
ここでは、おすすめの金融機関のいくつかをピックアップして説明していきます。
公的融資は、事業者の全ての方に開かれている「日本政策金融公庫」。
銀行ビジネスローンは、限度額1億円と大口融資を希望される方にも安心の「三井住友銀行」と「楽天銀行」。
ノンバンク系は、スピード融資で定評のある「AGビジネスサポート」です。
では、それぞれの返済方式を見ていきます。
- 「日本政策金融公庫」の返済方式は、元利均等返済または、元金均等返済
- 「三井住友銀行 中小企業向け融資ビジネスセレクトローン」は、元金均等返済
- 「楽天銀行 ビジネスローン」は、元金均等返済
- 「AGビジネスサポート」は、元金定率リボルビング方式
日本政策金融公庫が採用している「元利均等返済」は、元本と利息分の合計を返済していくもので毎月の返済額が常に一定になる返済方法です。
この方法の良い点は、毎月同じ額を返済していくため覚えやすく、計画が立てやすいという点です。ただ返済期間中は、ローン残高が少なくなっても月の負担が変わらないことは覚えておくと良いでしょう。
名称が「元利均等返済」と似通っているため非常にややこしいですが、銀行振込ビジネスローンで採用されていることの多い「元金均等返済」は、毎月の返済額が異なる方法で、元利均等返済に比べて元金が早く減るため、総支払額が少なくて済むというメリットがあります。
ただし元利均等返済と比較すると、はじめの段階では返済額が多くなります。
名称は違いますが「AGビジネスサポート」の元金定率リボルビング方式や「ビジネスパートナー」の借入時残高スライド元金定額リボルビング返済も、元金均等返済と同様の方法です。
返済方式を比較した場合、単純に返済しやすくおすすめな方法は、「元利均等返済」です。
信販会社がよく採用している方法で、返済回数が進むごとに返済金額が減っていく残高スライドリボルビング返済も徐々に負担が軽くなるという点でおすすめではありますが、毎月、一定の返済額という点で「元利均等返済」方式を採用しているビジネスローンの方が利用しやすいと言えるでしょう。
おわりに
事業を興してからずっと業績がうなぎのぼりで何の心配もない、といった羨ましい経営者はほんの一握りいるかいないかではないでしょうか。
どのような会社であれ、昨日までは好調だったのに…といった一寸先の闇を抱えているものです。
追い詰められた状況に追い打ちをかけるように来週までに支払額を揃えなければならない、また数日後の取引きの資金がなければその後の事業が成り立たない状況に追い込まれることもあるでしょう。
そんな時に助けになるのがビジネスローンです。
急いでいる時には、ノンバンク系のビジネスローンはピンチを救う救世主になってくれるでしょう。
ただ、利便性がよくすぐに利用できるという点は大きなメリットではありますが、使い方を間違えると逆に多くの借金で首を絞めることになってしまうなど、便利さの陰に潜むリスクがあることもよく理解しておかなければなりません。
ビジネスローンを上手に、そして安全に活用するためには、未来を見通すことができる適正な判断と事業計画、いつでもすぐに軌道修正できる危機管理能力が重要です。
会社の存続に関する重要な資金確保であるからこそ、しっかりと契約内容を理解し、今とこれからに有益な取引を行いたいものです。
セゾンファンデックス不動産担保ローン
・変動金利:2.75%~4.55%※1
(2022年4月1日現在)
・固定金利 4.5%~9.9%※2
・限度額:100万円~5億円
・申込条件:原則満20歳以上70歳以下、完済時85歳未満の方(事業主の場合)
※担保は代表者の親族が所有する不動産でも可
※1(年1回利率見直し/みずほ銀行の長期プライムレート+1.65%‐3.45%・4月1日を基準日として同年6月5日より新利率を適用)
※2金利タイプ(変動金利または固定金利)は、審査により決定されます。
プロミス
※ 原則電話による在籍確認なし
※ 最短3分融資は可能ですが、お申し込み時間や審査によりご希望に添えない場合があります。
アコム
※ 最短20分審査、最短20分融資も可能ですが、お申し込み時間や審査によりご希望に沿えない場合がございます。
※ 原則、お勤め先へ在籍確認の電話なし
※ 必要書類:アコムのご利用において50万円を超えるご契約を行うお客さま、他社を含めたお借入総額が100万円を超えるお客さまは収入証明書が必要。
※ 審査通過率:マンスリーレポート参照
※ まさに「はじめてのアコム」!アコムは初めての方が借りやすく、審査通過率が高くなっています。
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