災害復興住宅融資とは?被災者向け住宅ローンの審査方法や難易度を徹底解説!
日本は、古くから多くの地震と共存してきた国です。
特に、2011年に起こった東日本大震災以降、日本人の防災意識はさらに高まったといえるでしょう。
また地震だけではなく、近年多発する局地的な豪雨や大型の台風も深刻な災害ですね。
災害は、決して「対岸の火事」ではありません。私たちは、いつ被災者になってもおかしくない状況におかれているのです。
ここでは、「災害復興住宅融資」について解説していきます。
自然災害によって住宅に被害を受けた場合に、頼りになる被災者向けの融資制度です。
防災対策の一環として、制度の概要や手続きの流れを知っておくことは大事でしょう。審査方法や難易度、審査落ちしないためのポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください!
災害復興住宅融資とは?
災害復興住宅融資は、住宅金融支援機構が扱っている被災した住宅復旧のための資金融資制度、つまり「被災者向けの住宅ローン」のことです。
自然災害によって被害をうけた住宅の建築、購入に関わる費用を、通常のローンよりも低金利で融資してもらえます。
被災後は通常の生活に戻るまで時間もかかり、家計も苦しくなるでしょう。自己資金で、すぐに新しい家を用意できる人は稀なはずです。
災害復興住宅融資は、そのような苦境に立たされた被災者を救済する存在といえます。
しかし、被災者なら誰でも無条件で希望の額が借りられるわけではありません。
融資が受けられる災害にも指定がありますし、住居の損壊具合によって融資される額も違ってきます。
またローンである以上審査は必ず行われますし、その審査が厳しい!という声もあるのです。
まずは、災害復興住宅融資のスペックについてまとめましたので、次の項をご覧ください。
一般的なカードローンの審査について確認したい方はこちら
災害復興住宅融資の利用条件・金利や限度額は?
災害復興住宅融資を利用できる人は以下の4つの条件に当てはまる人です。
- 災害により被害をうけた住居の所有者、または居住者
- 自分、または被災した親族が居住するための住宅を建設・購入する方
- すべての借り入れ※ の総返済負担率の割合が指定の基準以下の方
- 日本国籍・永住許可を受けている外国人の方
※「すべての借り入れ」とは災害復興住宅融資のほか、すべてのローン(カードローン・クレジットのキャッシングも含む)の合計額です。
【総返済負担率の基準】
年収400万未満・・・30%以下
年収400万以上・・・35%以下
また、融資を受けることができる住宅に関しても、基準となる規格や床面積・専有面積の基準が設けられています。
どんな住宅でも大丈夫というわけではないので、詳しくは住宅金融支援機構のサイトで確認してみましょう。
限度額や金利は、建設・購入など融資の使い道によって違っています。それぞれの資金使途別に、一覧でまとめてみました。
基本融資額
資金使途 | 融資限度額 | 金利 |
---|---|---|
建設 |
1,650万(建設資金) |
年0.45% |
補修 |
730万(補修資金) |
|
購入(新築) |
2,620万 |
|
購入(中古住宅、中古マンション) |
2,320万 |
特例加算額
資金使途 | 融資限度額 | 金利 |
---|---|---|
建設 | 510万 ※建設資金 | 年1.35% |
購入(新築) | 510万 | |
購入(中古住宅、中古マンション) |
※一般災害・個人向け(令和元年7月現在の数字です)
個人向け以外にも、管理組合や経営者向けの融資も用意されています。
しかし、大規模災害などは違う措置をとることがあり、現在は東日本大震災の被災者は別枠となっているようです。
災害復興住宅融資の審査方法と難易度について
では、災害復興住宅融資の申し込みや審査方法についてみていきましょう。
申し込み方法
まずは、住宅金融支援機構のコールセンターに電話をして、借入申込書類を入手しましょう。
提出書類を揃えたら、機構の本店に郵送で申し込みます。
申込み受付期間は、原則として被災日から2年間となっていますが、東日本大震災・平成28年熊本地震の被災者の方は期限が延長されています。
【申込書請求先】
住宅金融支援機構 お客様コールセンター(災害専用ダイヤル):0120-086-353
【申込書送付先】
〒112-8570 東京都文京区後楽1丁目4番10号
独立行政法人住宅金融支援機構 本店 郵送申込係
主な申込書類は以下の通りです。
- 災害復興住宅資金借入申込書※
- 資金計画・返済計画表※
- 個人情報の取扱いに関する同意書※
- 災害復興住宅融資商品概要説明書※
- 本人確認書類
- り災証明書の写し
- 所得や課税に関する証明書
※の書類は、コールセンターに電話をして請求する書類
必要書類は、上記以外にも多数あり、市区町村の役所、場合によっては税務署や法務局などで入手する書類もあります。
役所に何度も足を運ぶことのないように、あらかじめ書類の入手先をしっかり把握してから揃えるようにしましょう。
建設、購入など申込み区分によって提出する書類も違っています。
申込書類の詳細は、住宅金融支援機構のサイトやパンフレット、コールセンターに問い合わせするなどして確認してください。
審査
申込書類を郵送後、2週間ほどで審査の結果が届きます。
書類に不備などがあれば一旦返送され、結果までにさらに時間がかかりますので、必要事項の書き漏れや捺印漏れなどのないように注意しましょう。
審査に通過すれば、すぐに融資を受けられるわけではありません。
建設の場合は希望すれば、着工前に土地先行資金、中間資金を受け取ることができますが、原則として入居後に保存登記の手続きを終えてから、融資の契約と抵当権の設定を行います。
資金の受け取りは、融資の契約後およそ1ヵ月後になります。
災害復興住宅融資の審査は厳しい?
災害復興住宅融資は、被災者のための救済措置のように思えますね。しかし、あくまでも融資なので返済能力がないと判断されれば借りることはできません。
利用条件をみれば、特別厳しい項目があるわけではありません。
しかし一番ネックなのは、年収に占める総返済負担率が一定の基準をクリアできるかどうかでしょう。
住宅ローンを抱えたまま被災した人も多く、持ち家があったということは車も所持していた可能性も高いので、自動車ローンも残っているかもしれません。
そこに、さらにカードローンやクレジットのキャッシングなども加われば、総返済負担率は当然上がってしまいます。
審査に通るポイントは、総返済負担率をなるべく抑えることです。
カードローンなどの借り入れが残っている場合は、なるべく完済しておくようにしましょう。
災害復興住宅融資の審査は特別厳しいというより、他の借り入れの金額に注意する必要があるのです。もし信用情報に事故情報があるブラックリストであれば、審査に通ることはありません。
「高齢者向け返済特例」と「親孝行ローン制度」とは?
高齢者向け返済特例
満60歳以上の方なら、月々の返済が利息のみになる特例です。
借入金の元金は、申込者と連帯債務者の全員が亡くなった時に一括で返済することになります。
月々の返済の負担が軽くなるのは嬉しい事ですが、一括返済が亡くなった後なので最終的には自宅を売却するなど遺産で返済することになるでしょう。
また、通常の融資よりも返済総額が上回るというデメリットがあります。
急場をしのぐという意味ではいいですが、もし通常災害復興住宅融資の利用で返済していけるのであれば、そちらを選んだ方がいいかもしれません。
親孝行ローン制度
親等が居住していた家が被災した場合、新しい家の建設や購入でローンが組めます。
条件は対象者の年齢が満60歳以上、また親でなくても条件を満たした親族も対象です。
親の住居が災害で損壊してしまいローンを組めない状況だった場合に、代わりにローンが組めるというところが、まさに親孝行ローンといえますね。
災害は他人事ではない!災害復興住宅融資の審査対策をしておこう!
いつ起こるかわからない災害、第一に守るべきは命です。
しかし、助かった場合でも住んでいる家を失ってしまうと、その先の人生が大きく変わってしまいます。
災害復興住宅融資は、災害を乗り越えた被災者の新たなスタートを応援する制度です。「関係ない」と他人事に考えずに、制度の仕組みを知っておくことは大切ですね。
また、審査対策としてカードローンなどの借り入れがある場合は早めに返済しておくように心がけましょう!
プロミス
※ 原則電話による在籍確認なし
※ 最短3分融資は可能ですが、お申し込み時間や審査によりご希望に添えない場合があります。
アコム
※ 最短20分審査、最短20分融資も可能ですが、お申し込み時間や審査によりご希望に沿えない場合がございます。
※ 原則、お勤め先へ在籍確認の電話なし
※ 必要書類:アコムのご利用において50万円を超えるご契約を行うお客さま、他社を含めたお借入総額が100万円を超えるお客さまは収入証明書が必要。
※ 審査通過率:マンスリーレポート参照
※ まさに「はじめてのアコム」!アコムは初めての方が借りやすく、審査通過率が高くなっています。
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