マスクの転売禁止の解除はいつから?「なぜこのタイミング」の声も
新型コロナウイルスの感染拡大で変わったことはたくさんあると思いますが、その1つは「使い捨てマスクが買えなくなった」、「ドラッグストアで売っているマスクの価格が高くなった」ことではないでしょうか?
私も花粉症の時期に使い捨てマスクを購入しようと思ったら、近くのドラッグストアにはまったく置いておらず焦ったのを覚えています。
当時はインターネットで販売されていても、通常の何倍もの価格で購入をためらった人もいますよね。
店頭で売られているマスクが買い占められ、インターネット上で高額転売されているという現状を受けて、政府は3月にマスクの転売を禁止したのですが、その転売規制が近いうちに解除される見通しです。
確かに、最近は近くのドラッグストアへ行けば使い捨てマスクを置いていますし、しばらく見かけなかった30枚入りなどのマスクも徐々に買えるようになっているようです。
ただ、まだまだ通常の価格と比べると高い印象があり、「このタイミングでの転売解禁は早いのでは?」と感じています。
東京都だけでなく、全国的にも感染者数が増えている中で、マスクの転売を解禁しても大丈夫なのでしょうか?
今回はマスクの転売禁止が解除される理由、転売を解禁する危険性について迫っていきたいと思います。
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マスクの転売禁止解除はいつから?
マスクの転売が解禁される詳細な日程についてはまだ分かっていません。
加藤厚生労働大臣は7月31日に、「近いうちにマスク、および消毒用アルコール製品の転売規制を解除する」ということを発表しました。
転売規制を解除するために必要な法令の改正手続きを進め、8月中にも転売が解禁されるようです。
マスクの品薄状態が続いていることを受けて国内での増産体制が取られ、「4月以降には普通に購入できるようになる」、「ゴールデンウィークくらいには価格が落ち着く」なんて話もありましたが、ようやくという感じですね。
ただし、冒頭でもいいましたが、まだまだ例年通りとはいえないでしょう。
これまでよりも需要は確実に増えており、30枚~50枚入りのマスクだと1,000円以下ではなかなか買えません。
使い捨てマスクの品質などにもよるでしょうが、これまでは30枚入りくらいでも500円前後で購入できていたので、店頭での販売されている商品の価格はまだ高めだと思います。
そもそもマスクの転売が禁止された理由は?
そもそもマスクの転売が禁止されたのには、次のような背景がありました。
【マスク転売禁止の背景】
・新型コロナウイルスによるマスクの需要増
・中国からの輸入量の減少
・一部業者などによる買い占め、転売の横行
ちょうど冬から春にかけてはインフルエンザ、風邪、花粉症などでマスクの需要が大きい時期であり、そこに新型コロナウイルスの影響もあって品薄になりました。
さらに、使い捨てマスクは中国からの輸入に頼っていたということもあり、その中国からの輸入量が減少したことも大きく影響したでしょう。
そこに店頭などで販売されているマスクを買い占め、インターネットで高額転売する業者、個人も出現しました。
政府はこのような事態を受けて、消費者心理の悪化、価格高騰を防ぐために国民生活安定緊急措置法を改正することで3月15日にはマスク、5月26日には追加で消毒用アルコール製品の転売も禁止になったのです。
この法律には罰則の規定もあり、ドラッグストアやネットなどの一般消費者の利用する店舗でマスク、消毒用アルコール製品を購入し、それらを不特定多数に高値で販売した場合は「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(またはその両方)」が科されます。
転売行為を法人の代表者や従業員が業務で行った場合は、行為者への罰則に加えて、法人に対しても罰金が科されることになります。
政府は法令を改正するための手続きを進め、8月中の解除が予定されるわけですが、「なんでこのタイミングなの?」と思いませんか?
私もちょっと転売解禁は早いのではと感じているのですが、次章では転売規制を解除する理由については見ていきましょう。
このタイミングでマスクの転売規制が解除されるのはなぜ?
マスクの転売を解禁する理由を一言でいってしまえばマスクの供給量が増えているためです。
マスクなどの転売を禁止したのは、「店頭でマスクが購入できないのに、ネットではすごい値段で売られている」という消費者心理へ配慮し、常態的な品薄によってマスクの価格が暴騰することの防止が目的です。
徐々にマスクの供給量が増えて、最近ではドラッグストアでの入手も容易になっているため、このような対応が取られたものと考えられます。
もう少し具体的に見ていくと、次の3つが関係しているでしょう。
【マスク転売解禁の理由】
①中国からの使い捨てマスク輸入量の回復
②国内での使い捨てマスク増産
③機能性マスクの拡がり
これらが国内でのマスク供給量の増加、需要の落ち着きに関係しており、転売の規制が解除されることになったのです。
海外からのマスク輸入量の回復
まず、大きく減少していた中国からの使い捨てマスクの輸入量が回復しています。
最初に新型コロナウイルスの広まった中国では需要の高まり、生産ラインのストップで一時期、中国の国内でもマスクが不足しているような状態でした。
ですが、中国での新規感染者が落ち着きを見せ、国を挙げてマスクの増産を図ったことで、生産量を大きく伸ばしたのです。
日本は使い捨てマスクの多くを輸入に頼っていたため、国内でのマスク不足の大きな要因となっていましたが、そこが徐々に改善されつつあるのです。
国内でのマスク増産
また、マスクの品薄状態が続くようになってから、日本国内でも増産体制が取られています。
日本政府からの補助金が出るということもあり新規で参入した国内メーカーも多く、その結果が出てきたということでしょう。
また、全体的にマスク1枚あたりの価格も下落傾向にあります。
アスツール株式会社の運営する「在庫速報.com」によると、4月中は1枚あたり60円~80円だったのが、それ以降は徐々に下落しており、5月末はおよそ20円、6月末、7月末は20円を下回る価格です。(いずれも平均価格)
マスクの販売量は今年の1月の水準にまで回復しているとのことなので、それにともない価格もかなり下がってきているのです。
機能性マスクの拡がり
使い捨てマスクの話ではありませんが、需要が落ち着いてきたという意味では、機能性マスクの拡がりも関係するでしょう。
これまで一般の消費者が購入するマスクのほとんどは使い捨てタイプで、一部、繰り返し使えるタイプのものが販売されている程度だったと思います。
マスクが品薄だったときは、とりあえず1枚~3枚程度の小分けでもマスクが売っていれば欲しいという人も多かったでしょうが、最近では徐々にニーズが変わってきています。
関東甲信地方では8月に入りようやく、平年よりも11日遅い梅雨明け(速報値)となりました。
今後、真夏日、猛暑日が増えていくと予想されるものの、まだまだマスクは必要ですよね。
そこで、通気性などを意識した夏用のマスクなども販売されており、「とりあえずマスクが欲しい」という数の話から「季節やシチュエーションに応じたマスクが必要」という質の話に移ってきていると思います。
医療現場などでは衛生面などのこともあり、使い捨てのサージカルマスクが好ましいですが、私たちが自身の飛沫飛散を防止するという目的なら繰り返し洗って使用できるタイプでも問題ないでしょう。
ユニクロがエアリズム素材のマスクを販売した当初はすぐに売り切れたようですが、他のメーカーでも夏用マスクなどを販売を開始しています。
繰り返し使えるタイプのマスクが増えたことも、需要増を落ち着かせる一因になったのではないでしょうか。
マスクの転売規制解除でも買い占め・価格上昇の懸念は残る
日本国内でのマスク供給量が増加したことから、マスクの転売が解禁される見込みですが、そうなると「また買い占める人が出てきて、価格が高騰しそう…」と思いますよね。
新型コロナウイルスの感染者数は、マスクの転売が禁止された3月よりも増えており、マスクの需要そのものは相変わらず高いままです。
このような状態でマスクの転売規制を解除しても大丈夫なのでしょうか?
高額転売が多発すれば再規制を検討
加藤厚生労働大臣は転売の規制解除後に、また高値での転売が横行するようなら再規制も検討すると話しています。
もちろん、通常の価格の何倍もの値段での転売が増えるのであれば再規制は止むを得ないでしょう。
ただ、再規制の具体的な基準がないまま規制を解除してしまうと、適切な対応が取られない、もしくは対応が遅れる可能性が高いです。
私たち一般消費者が適正な価格でマスクを買えないだけでなく、医療現場でのマスク不足も起こりえます。
また転売が多発してからの再規制ではどうしても後手後手なので、慎重に規制解除の判断をし、再規制の検討を行う基準なども明確にすべきです。
フリマアプリなどでの出品は引き続き禁止の可能性あり
法令の改正が行われればマスクの転売は可能になります。
ただ、転売の規制が解除されたからといって、ネットオークションやフリマアプリで出品できるようになるとは限りません。
転売の規制がなくなっても、各社はマスクなどの出品については慎重な姿勢を取るようです。
具体的な対応については転売規制の解除後になるでしょうが、例えば、メルカリでは有識者会議が設け、今回の(マスクの高値転売に関する)トラブルについて9月中に対応方針をまとめるとしています。
議題はマスクの転売だけではないものの、コロナ禍の中でメルカリのような二次流通のマーケットプレイスはどのようにあるべきかが話し合われるそうです。
(参考 mercariプレリリースより:メルカリ、「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」を設立)
まだまだある!国内・国外のマスクに関する問題
マスクの転売が解禁されることについてお話ししてきましたが、国内外でマスクに関する問題はたくさん起きています。
ここからは、そのうちのいくつかを紹介していきたいと思います。
中国では多くのマスク製造業者が倒産するという話も
中国は国を挙げてマスクを増産する体制を取り、生産量を増やしてきました。
しかし、国内での感染者数が落ち着いたことで過剰供給の状態になっており、9割以上が倒産する危機にあるといわれています。
(参考 日刊工業新聞:中国のマスク業者、年内で95%が破綻 供給過多・価格急落…)
「日本でも足りていないんだし、輸出すればどうなの?」と思うかもしれませんが、急激に生産量を増やした中国製マスクの中には品質が良くないものも多く、各国からのクレームもあり、品質の基準を満たしていないマスクは輸出に制限がかけられているのです。
中国は国内での需要が少なくなっただけでなく、簡単に輸出できるような状況でもありません。
このような状況下では海外への輸出許可を受けている一部の企業しか生き残れないだろうと予想されているのです。
アベノマスク一律の追加配布が中止に
日本でのマスク転売禁止の解禁と一緒に報じられたのが、いわゆるアベノマスクの一律での追加配布中止です。
使い捨てマスクの不足に対応するために、各世帯2枚ずつに布製マスクが配布されたわけですが、介護施設や保育所などへ追加で8千万枚が配布予定でした。
しかし、その現場からは「サイズが小さくて使いにくい」、「本格的な夏を迎え、この暑さの中で布製マスクは厳しい」といった声も聞かれ、他にも「税金の無駄遣い」などの批判も相次いだのです。
これを受けて、一律での配布は中止し、希望する施設のみに配布することになりました。
残りは国で備蓄するとのことですが、アベノマスクが本当に活躍する日は来るのでしょうか?
【まとめ】マスクの転売解禁は8月中が目標、その後の価格には要注意
法令を改正する手続きがスムーズに進めば、8月中にもマスクの転売は解禁される見通しです。
現在、マスクの価格は落ち着いているように感じます。
ですが、また買い占めが起こり品薄になれば、高値での転売が増えるでしょう。
海外からの輸入量は回復し、国内での生産量も増えてきているため、転売を解禁しても大丈夫だろうという判断だと思いますが、転売解禁の直後は価格の変動に要注意です。
また、転売禁止が解除されてもフリマアプリなどでの出品禁止は続く可能性があるため、自宅のストックを減らしたいと思っている人も注意してください。
この問題に対して自分ができることは少ないかもしれません。
それでも、不要な分は購入せず、必要最低限の量だけを購入するということはこれまで通り重要だと思います。
「またマスクが買えなくなったらどうしよう…」と思うと多めに購入したくなる気持ちは理解できますが、皆さんも節度ある行動を心がけましょう。
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